ホームレス支援 NPO 「てのはし」活動体験 - わたしのよいコトnews

ホームレス支援 NPO 「てのはし」活動体験

2 月 5th, 2010 | カテゴリー: 【投稿】わたしのよいコトnews

池袋を拠点にホームレスの方々を支援するNPO「てのはし」の活動に触れてきました。
http://tenohasi.org/

炊き出しや夜間の巡回活動、お弁当配り、健康相談、生活福祉相談、法律相談など、総合的な支援をしています。1日体験活動なども参加自由だそうです。

1.公開レクチャー

立教大学・佐野純也先生の公開授業の形で、「てのはし」事務局長の清野さん、そして同ボランティアのホームレス生活体験者、Aさんのお話を伺った。

ホームレスには様々なタイプの人たちがいる事を教わった。
ネットカフェ難民
マック難民
野宿者
累犯障害者
ただし、この類型では把握できない、十人十色のホームレスの状態があるとの旨。

また、ホームレスの間でもあらゆる社会現象が起こっている事、まさにひとつの小さな(と言えるか)社会を形成していることを教った。

ホームレスは、失業、離婚、家庭崩壊、生活破綻などが複合的に起こったことで個人が追い込まれ、結果としてホームレス生活に入ること、また上記に見られるような段階的転落を経るケースが多いことを学んだ。彼ら彼女らは人生の試練を波状的に受けたケースが多く、「自死を選択しなかった『サバイバー』だと言える」という見解を聞き、ある意味新鮮な驚きだった。

教材用DVD「『ホームレス』と出会う子どもたち」を鑑賞。

DVDに登場した元消防署員・ガードマンの男性は、消防活動で焼死体を目の当たりにし、離職。ガードマンの仕事を続けていたが、仕事中に脳卒中を発症。雇用主に頼んでも医者に行けず、その結果として後遺症が発生して仕事ができなくなった。生活できず、路上生活に入る。
主に段ボールなどの廃品回収からその日の食費を捻出している。
彼はこのDVDで「つらくても死んだらあかん。生きとってこそ何かがある」と発言しており、胸にせまる思いがした。

佐野先生は「ある意味安心してホームレスになれる社会、そして元気が戻ったら『あちら側(アット・ホーム生活)に戻っていける社会』という提案をした。この考えには心から賛同した。
続いて、ホームレス生活経験者のAさんの話を伺った。

Aさんは31歳。北海道で生まれ育ち、札幌で働いていたが、うつ病にかかり、職を転々とする。愛知県へ移り、自動車工場の派遣労働に携わった後失職。東京に移動する。この時点でネットカフェ難民となり、マック難民、ホームレスとなる。

Aさんは主に「地見屋」をしていた。地見屋とは、路上や自販機の返却口で小銭を集め、日々の生活費に充てる生活。

歯痛をきっかけに路上生活者緊急一時保護センターに入所し、双極性うつ病の診断を受けて生活保護を受けた。現在はてのはしのボランティアとして活動している。

Aさんのプレゼンテーションには衝撃を受けた。
ご自身のつらい・つらかった体験を淡々と聴衆の前で語る勇気に、そしてその語り口のなんとも言えないあたたかさに感服した。時々、まるで楽しい話を聴いているような錯覚に陥ったほどだ。感謝!脱帽!

2.てのはしの屋外活動参加

てのはしのスタッフの皆さんについて、野外活動を体験。
まず、さいしょにお弁当配りを手伝い、つづいて、「夜回り」という巡回活動に参加。

炊き出し情報などを記載したてのはしのチラシ、使い捨てカイロ、お弁当を配布しながら、ホームレスの方々と話をし、必要なら医療、福祉の支援に結びつける活動だ。

チラシには、炊き出しやお弁当配布の場所とスケジュール、支援施設情報などが記載してある。ホームレスさんたちにとっては貴重な情報源だ。

「夜回り」では、私は池袋駅西口見回りチームに入り、活動体験をさせて頂いた。

てのはしスタッフの方々について行っているという安心感もあり、個人的にはホームレスの方々に近づき、話をすることには全く抵抗はなかった。

ホームレスの方がパルコ構内からガードマンによって引きずり出された現場を見た。
彼らは深夜は駅構内から追い出されるため、その間の3〜4時間は眠れず外を放浪する。
この間、冬は寒いという事もあるが、若者に襲撃されるリスクが高いので、眠ることができないそうだ。4時頃に駅が開いたら再び構内に入り就寝する。

彼らの生活は昼夜逆転、ないしは睡眠時間の分断が常だという事を、少し実感的に学んだ気がする。
ご当人は目の上と指にけがをしていた。中野のケアセンターの世話になっているとの旨。

駅構内の商店のシャッターの前に立つ男性を発見。
スーツを着て、立ったまま新聞を読んでいるが、顔を隠し、少々異様な雰囲気。
しかし、見ようによっては普通のサラリーマンにも見える。

てのはしスタッフが声をかけたが、食事、カイロ、プリントを受け取ろうとしない。

この人物は「ボーダーにいる人」との旨。
つまり、ホームレスの入り口に立っていて、ギリギリ自分を保っている状態にある人だ。
授業で伺った「段階的転落を経る」実例を見た気がした。
また、彼のスーツ姿を見て、私はビジネスの世界に身を染めてきたこともあり、身につまされる思いだった。

我々全員が、人生の節目・きっかけなどにより、ホームレスになる可能性を持っているのだ。実は都市生活者にとっては他人事ではなく、身近なことなのだという「有り様」に気づかされた。

想像をはるかに超える、しかし衝撃というより今まで未受信だった信号が体にしみ込んでくるような、たいへん貴重な体験だった。

ありがとうございました。
以 上

ハンドルネーム:ぱぱ太さん

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2 コメント
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  1. とても考えさせられる記事でした。まるで自分も同じ体験を共有できたかのように読ませていただきました。ありがとうございました。

  2. マナブさん
    ありがとうございます!
    彼らは「あちらがわ」にいる人たちではないことを実感させられました。

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